日本脂質栄養学会第22回大会
2013年9月6~7日 於:高松市
糖尿病者にスタチンは禁忌ー緊急提言
Statins are Contraindication to Diabetics - Urgent Proposal
奥山治美:金城学院大学消費生活科学研究所(名古屋市立大学名誉教授)
浜崎智仁:富山城南温泉第二病院(富山大学名誉教授)
大櫛陽一:大櫛医学情報研究所(東海大学名誉教授)
浜 六郎:NPO法人 医薬ビジランスセンター(薬のチェック)(研究所 所長)
内野 元:医療法人内野会(コレステロール論争(http://omega3.or.jp)隠居組 代表)
渡邊浩幸:高知県立大学健康栄養学部(教授、日本脂質栄養学会第23回大会 大会長)
橋本道男:島根大学医学部 環境生理学分野(准教授、日本脂質栄養学会理事)
代表者の連絡先
〒458-0812 名古屋市緑区神の倉1-89
電話&Fax 052-876-3840、E-mail:okuyamah@kinjo-u.ac.jp
# 提言者には、糖尿病およびコレステロール低下剤に関わる企業との利益相反について
公表すべきものはない。
キーワード:スタチン、禁忌、糖尿病、プレニル中間体、インスリン受容体
緊急提言への道のりと今後 PDF
  ‘禁忌’ということは、服用すると危険だということ?   
  そう、糖尿病ではスタチンを服用しては駄目だということです。  
  今さら禁忌? 
現時点でお医者様は糖尿病にスタチンを処方していますよね。
 そのスタチンを処方する根拠は、いったいどこにあるのですか?
 
  糖尿病では心臓血管系の病気で亡くなる率が高く、
心臓血管系の病気の原因とされるコレステロール値を
普通の人以上に厳しく低下させなければなりません。
そのような根拠から、一般的なお医者様は
コレステロール低下薬であるスタチンを処方する 
ということになるのです。
 
  一般のお医者さまといっても
総てのお医者さまがスタチンの専門家ではないでしょう。
スタチンの投与量、さじ加減等は
どのようにして決定しているのでしょうかね? 
 
  胃薬、風邪薬等々、総ての薬剤には
薬剤添付書という説明書がついています。
また複雑な病気に対してはその症状に応じて
どの薬とどの薬をどのような割合で組み合わせていくべきか、
それこそその薬剤の専門家ともいえる専門医師が
複雑な病気の予防や治療の指針をまとめている、
いわゆるガイドラインとして出版された書物があります。
一方薬剤のメーカーは、自社薬剤の宣伝のために
専門知識を引っ提げたMR(Medical Representative)を
お医者さまのところに送り込んできます。
以上大きく分けて三つの情報源を頼りに、
一般のお医者さまは自らのさじ加減を
作り上げていくということになります。
ことスタチンに関しては、
日本動脈硬化学会が2012年に刊行した
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012を出典とした情報が
一般のお医者さまのさじ加減形成に大きなウエイトを占めている
と言っても良いでしょう。
 
  そうですか? 
「日本動脈硬化学会がクシャミをしたらスタチンの処方が増える」
という構図ができあがってもおかしくありませんね。
 
 コレステロール悪人説を金科玉条とした社会では
仕方がないのかもしれませんが……。
末端のお医者さまから医学部で教鞭を執っている教授先生方までも
この学会を盲信しているとしか思えません。
いったい誰がこの学会の中枢執行部の正体が
科学者として正道を外れていると疑ったことがあるでしょうか?
この疑惑解明に関しては別途枠を設けることとして……。
 動脈硬化学会のガイドライン2012では、糖尿病に対して、
コレステロール値のより厳しい管理を強力に勧めています。
2012年の刊行後わずか1年足らずで
コレステロール低下薬スタチン禁忌説が緊急浮上するのには、
余程の自信があってのガイドライン2012の刊行だったと言えますね。
この自信の程はいったいどこから来るのでしょうか?
日本動脈硬化学会が前回ガイドラインを刊行したのが2007年。
1年後の2008年に発表されたJUPITER研究で
スタチンの一種ロスバスタチンが糖尿病発症を促進した……、
これだけなら日本動脈硬化学会の触手は微動だにしない。
ところが「糖尿病発症はあるものの
虚血性心疾患の主要エンドポイントを4割程度低下させた」は、
スタチン推進の立場にある日本動脈硬化学会の
触手をおおいに動かした。
「リスク(糖尿病新規発症)よりベネフィット(心疾患予防効果)が上回る」
という意見を意気揚々と受け入れて、
更に動脈硬化学会なりの肉付けを楯として、
ガイドライン2012は完成していると思われます。
つまりその辺りから来る自信ということになるのではないでしょうか。
  そこで今回の緊急提言ですよね。
ガイドライン2012はもとより伝統ある日本動脈硬化学会自体の
存在さえも否定するかのような提言ではないですか。
提言者の行動は大胆不適と世間より受け取られ兼ねませんか?
それに対しての慎重かつ繊細な科学者としての配慮、
それは当然払われたと思いますが………。
 
  2008年JUPITER研究発表以来、日本脂質栄養学会では
「リスク(糖尿病新規発症)よりベネフィット(心疾患予防効果)が上回る」
(リスク-ベネフィット説)を検討し続け、約4年の歳月を費やし
「この説は容認できない」の結論に達し、
更に「スタチンは糖尿病に禁忌」を普遍化しなければならない
ということを考えていました。
当然日本動脈硬化学会を含む世間一般も理解してくれると
高をくくっていたのがいけなかったですね。
ガイドライン2012に「リスク-ベネフィット説」を基盤として、
スタチン大量処方を指示しているのには度肝を抜かれた次第です。
このような状況ですので、慎重かつ繊細な配慮どころではありません。
とにもかくにも糖尿病新規発症を抑えなければなりませんから
なり振り構ってなんかおられませんでした。
と言うのが提案者の心情です。
このままガイドライン2012を野放しにしておいては、
糖尿病新規発症者の増加により医療費は追加されるし、
スタチン自体はそれこそ毒物なのに医療費として計上されることになります。
なによりも健康体の人を糖尿病に罹患させて寿命を縮めるという罪を
一般のお医者さまが犯すことだけは阻止しなければなりません。
 
  阻止できるでしょうか……。
2010年12月、日本脂質栄養学会が提示した公開質問書を黙殺して、
ガイドライン2012を刊行してしまった日本動脈硬化学会ですよ。
学者としては常識破りの行動をするこの学会に対して
対策を講じることができますか?
 
  策ですか?
公開質問書を黙殺して利益相反も開示せずに
ガイドライン2012を強行刊行した学会に講じる策はありません。
敢えて策とするならば、この提言が策であり、
先に Annals of Nutrition and Metabolism に掲載した論文です。
公開質問書を考慮してガイドライン2012が刊行されていたならば、
世界を震撼とさせるこのような論文は
日の目を見ていなかったでしょう。
また日本動脈硬化学会も傷付かずに済んだことでしょう。
残るは医療最前線でスタチンを処方している一般のお医者様に
この論文は正論であると認識して頂くこと、
そして日常診療に生かして頂くことです。
 
  Annals of Nutrition and Metabolismに掲載された論文というのは、
日本でのエビデンスを全く無視したガイドライン2012刊行の無謀さを
指摘した、ひじょうに説得力のある内容ですね。
ガイドライン2012が問題ありと国際的にも広く披瀝されたことになります。
また今回の緊急提言も、
無数のエビデンスと国際的な学術論文に裏付けられた論文であり、
否定反論する余地は最早見出せないのではないでしょうか。
さらにコレステロール代謝を分子レベルで系統的に解説した箇所は
世界初であり
今後国際的にも充分受け入れられる論旨ではないでしょうか。
 
  ここまで来れば日本動脈硬化学会が
どうあるべきかという次元のものではないと思います。
指導的立場にある医師たち、例えば医学部で教鞭を執る教授連が
今回の二つの論文を正しく評価して認識を新たにすることですね。
 
  第一線にある教授となるとそれぞれに専門分野を持っていて
その探究に没頭する余り、専門分野以外は関心がない、
そうなると
日本ではコレステロールに関しての専門は動脈硬化学会であり、
コレステロールのことは動脈硬化学会に任せておけば安心、
コレステロールに関しては動脈硬化学会発が総て正しいと
受け取られる傾向がありますね。
動脈硬化病変部より多量のコレステロールを抽出したのが
20世紀初頭であり、3~4世代にわたってコレステロール悪人説が
普遍化して、学生時代からコレステロール悪人説を
信奉してきた指導的立場にある教授連も、
コレステロールに関して異変が起きていることに気がつかない。
他から尋ねられても敢えて目を向けようともしない、
つまり晴天の霹靂を観察しようとはしませんね。
 
  日本動脈硬化学会が
この二つの論文を受け入れて改心しさえすれば
日本のコレステロール論争は一気に解決するのでしょうが、
一般庶民の常識では考えられない日本動脈硬化学会の
強硬な態度では期待できそうもありません。
隠居組では2011年末より動脈硬化学会の重鎮、
定例記者会見を開催した日本医師会、日本医学会へ
親書を送り続けていますが、
無位無冠の隠居組は無論無視されています。
最近ではガイドライン2012を基盤として診療を展開している
指導的立場にある教授連に
この緊急提言の賛否を問う親書を送りました。
今後も牛歩ながらも続けていこうと考えています。
まあ外堀を埋めるという作業を続けて行くことになりますね。
 
  外堀を埋めるということは、対お偉方ばかりということではありません。
世論を高めていくことが目的ですので、対象は誰だって良いのです。
 
  情報通の町内世話役さんが
いろんな場所で話題にするのも一つの手です。
「コレステロールは低いと危険だって……、
高い人が長寿ということです。
日本のコレステロール専門の学会では
異変が起きてるそうです。
国際的に有名な学会でも
おかしいと指摘した論文が掲載されています。
コレステロール専門の学会がご乱心なら
一般のお医者さまもおかしいのでは…?
コレステロールは庶民の健康に関することですから、
お医者様に頼ることなく庶民独自でこの情報を
詳しく調べなければいけないのでは……」を
口火に話題を展開し、
皆さんの関心をひきつけるように
いろいろ思案をしてみて下さい。
 
  そのためにもこの緊急提言を理解しやすいように、
このホームページでは編集し直す準備をしております。
医学学術論文とは少しでも専門分野から離れると
真剣に理解しようと努力しないのがお医者さまです。
そんな方々へも分かりやすいように考慮していますので、
町内の物知りご隠居さんもぜひ挑戦してみてください。
物知りご隠居のお株が上がること請け合いですよ。
またパソコン通のご隠居なら 緊急提言PDF をプリントアウトして
かかりつけのお医者様に質問することも良策です。
今なら運が良ければ緊急提言を知らない先生に出くわし
得意な気分を味わえるかもしれませんよ。
 
  ところでこんなに大事なこと、それも人間の寿命に関することを
テレビや新聞はどうしてトピックとして取り上げないのでしょうか?
 
  ほとんどすべての製薬会社は
ほとんどすべての報道関係企業に
コマーシャルを発注しています。
莫大な金額の広告宣伝費です。
“コレステロール低下薬は危険だ”と
報道しようものなら、
すべての薬剤のコマーシャルは停止されます。
企業収入が大幅に減るのを恐れているのです。
 
  視聴者の健康よりも会社の利益ですか……。
そんな中、朝日新聞社系列の雑誌「アエラ」は
2012年9月24日版にスクープしましたね、
“コレステロール「下げなくていい」”と。
さすが老舗朝日新聞社の系列‼
老舗に見習って他社も検討すべきでは……。
 
  アエラは「二つの学会の対立を検証」と報道!
日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会の
対立した主張を解説しています。
いずれ徐々にマスコミ各社も
報道するようになるでしょう。
願わくは、NHKの先行報道を期待します、
国営放送の面子に懸けても。
 
  アエラの記事は「さまざまな内外の臨床試験、
疫学調査によっても有害説の根拠が失われ、
米欧では扱いの方向転換がとうに行われているコレステロールが
この国で執拗に袋叩きの的になったいるのは、
そうなっていればいるほど、‘患者’も関係薬剤の売り上げも増え、
医療、製薬の商売が繁盛するからなのか」で閉じています。
これは製薬企業と日本動脈硬化学会との間の
利益相反の存在を強く示唆していますね。
 
  製薬企業が医学研究のスポンサーになる。
誰もが思うことは、研究結果は企業に有利に操作されていると。
研究者も科学者である前にお金大好き人間、お金のためなら
捏造、改ざんだって平気でやってしまいますからね。
 
  2004年、米ワシントンポスト紙の記事では、
「製薬企業と金銭的につながりがある医師と科学者に、
利益相反問題を開示する義務を負わせるだけでは不十分だ
― 彼らにガイドラインの作成を許しては決してならない」 と。
以来利益相反の開示は
世界的に研究者に義務付けられています。そして
2004年以前の論文の引用はほとんど無意味となっています。
 
  利益相反の開示となると、企業からの寄付金額のみならず、
すべての講演謝金、総ての原稿執筆謝金等々、
関係企業の有価証券類の所持額までもが
公開の対象になっているそうですね。
日本脂質栄養学会ではちゃんと開示してありましたね。
いっぽう日本動脈硬化学会では
ガイドラインとしての義務的条件とも云える利益相反の開示を
2012版も含めて全4回とも掲載してありません。
 
  利益相反を開示をしていないだけではないんですよ。
問題はその内容です。
予防ガイドラインではなく、殺人ガイドラインとまで評価され、
国際的にもその汚点を披瀝されてしまった現時点では
もう振り出しに戻ることは不可能でしょう。
2010年12月の公開質問書に回答して謙虚に情報を検討していたなら
このような状況は招かなかったと思います。
 
  庶民の感覚で一連の流れを眺めますと
善悪の判断が出来きない、道徳に反している、そんな背景がある?
改めてこの辺りのことをネットで検索し、整理すると……。
「研究とは社会の付託を受けての行為であり
研究者倫理に背く行為は社会に対する無責任行為」と。
つまり庶民の健康なんて考慮していないことになります。
ところでこの学会のナンバー2は日本内科学会の理事長ですよね!
このまま傍観していたら日本の医療の崩壊につながるのでは……。
 
  日本の医療を崩壊させてはいけません。
そのために、いまこそ立ち上がる時です。
庶民の皆さんは医療関係者に働きかけてください。
老いも若きも医療の最前線で診療に従事するお医者さま!
この際、上(教授とか)も下(開業医)もありません。
天動説が否定されて地動説が常識になったように、
コレステロール善人説を常識にしなければなりません。
新鮮な情報を仕入れて、自らの診療姿勢を確立してください。
科学編‘アラブの春’はいかがでしょう。大いに討論しましょう。
メーリングリストを準備中です。
匿名可、victor@cholesterol-dispute.com まで……。
 
 
   
   
 
   

糖尿病者にスタチンは禁忌-緊急提言