必見! 「再考 コレステロール問題」 
 コレステロール論争における利益相反とは、単刀直入に指摘して、「研究者(研究機関)は製薬企業から法外な額の金銭を受け取り、その見返りに研究者(研究機関)はデータの捏造、隠蔽、改竄をして、スタチンに有利な歪曲した結論を誘導している」ということになります。これは民法でよく聞く利益相反よりは山吹色の色合いが何となく濃いいような気もしますが……。

 ほとんどの研究施設が利益相反に関しての規約を策定しています。その中には、「利益相反行為:教職員等としての職務義務等並びに臨床研究の対象となる患者又は被験者の医療上の利益及び安全の確保よりも,自己又は第三者の利益を優先させる行為をいう。」の条項があり、また、「利益相反行為の推定として「産学官連携活動により相当程度を越える報酬等の額を得る行為」という項目も見られます。

 隠居組レポートでも利益相関に言及していますので是非ご覧になって下さい。ここでは、日本脂質栄養学会第21回大会(2012年9月8日、於:麻布大学)にて開催されたパネルディスカッション「再考 コレステロール問題」での浜崎智仁氏の講演を紹介し、隠居組としては注釈として周辺状況を付け加えることにしました。
   なお、このパネルディスカッション「再考 コレステロール問 題」で発表された4名のパネリストの講演のビデオを、YouTubeでみることができます。コレステロール仮説を支持してスタチンを処方続けているドクターは必見です、これ以上あなたの患者様を不健康にしないためにも。
  必見! 「再考 コレステロール問題」 
<時論>動脈硬化学会の新しい指針と日本のコレステロール問題
日本脂質栄養学会第21回大会のパネルディスカッションのまとめ 
浜崎智仁奥山治美大櫛陽一浜 六郎
脂質栄養学 2013; 22(1):69-76

W 多額の資金を企業から得ている研究者は
指針作成に携わらないこと
演者 浜崎智仁
  2012年6月にでた動硬GLにはきめ細かく指示が書かれているが、内容の正当性を判断する際に必要な資料が全くない。利益相反を開示していないのである(日本脂質栄養学会の利益相反)。今まで数回改訂していながら一度も開示がない。動脈硬化と関連の深いメタボリックシンドロームの診療指針に携わった医師が製薬会社から受け取った寄付金が、2008年3月30日の読売新聞実名入りで暴露されている。上は3億150万から、下は4900万円まであり、大部分が1億円以上である。この中には講演料などは入っていない(報奨金? 大阪大学第二内科の例)。また、私学は基本的に公開していないため、私学の教授などはどの程度の研究費を得ているか全く分からない。講演料および顧問料は見当も付かない。同じようなカネの動きが、今回も起こっているはずだ。

 製薬会社は、日本の年間広告宣伝費の1割にあたる約6千億円をマスコミ関係にばらまいている。これは三重の意味で恐ろしい。この広告費は結局薬価に反映される。また、マスコミ各社は製薬会社が宣伝を中止するのを恐れて、薬の悪口を言えなくなる(悪魔の保険)。さらに健康人を病人に仕立て上げている。NHKは広告料こそもらっていないが、結局重要なところで厚労省の決めた部分に対し異を唱えられない。そこでコレステロール仮説に対する反論は極めて出にくくなる。

  New England Journal of Medicineの名誉編集責任者JP Kassirerは「製薬企業と金銭的につながりがある医師と科学者に、利益相反を開示する義務を負わせるだけでは不十分だ。彼らにガイドラインの作成を許しては決してならない」と述べている。

  動硬GLのコレステロール部分は理解しがたい部分が多い。コレステロールの値と総死亡率の関係が全く示されていない。日本の多くの疫学調査でコレステロールが高いと死亡率が低くなることが示されているのに、である。コレステロール低下薬スタチン類の副作用情報が極めて貧弱である。基本的には筋肉障害しか記載がない。現在欧米で問題となっている副作用としての糖尿病、脳への影響(うつ、睡眠障害、記憶障害、性機能障害)があるのに、何の記載もない。薬の副作用は診療指針として非常に重要な点だが、企業からの援助を大量に受けていれば、まじめに記載することはできない。

  1997年に動脈硬化学会は最初の脂質に関するガイドラインを出した。その時は総コレステロールを指標としていた。2007年にはその指標がLDL-コレステロールに変わった。動硬GLではさらに新しくnon-HDL-コレステロールという指標が出てきた。これらの変遷は、コレステロール仮説そのものの崩壊を意味している。測定すべきものすら統一できないのだ。